對韓對淸其揆一也
朝鮮は支那の小なるもの也、支那は朝鮮の大なる
もの也。
然らば則知るべきのみ、對韓策の難きは猶ほ對淸
策の難きがごとくなるを。
若し朝鮮の政弊にして革新するを得べくんば、支
那の政弊も亦猶ほ革新するを得べき也、若し朝鮮
の國民にして濟度すべくんば、支那の國民も亦猶
ほ濟度するに難からざるべき也、若し朝鮮にして
我保護の下に獨立を保持し得べくんば、支那も亦
猶ほ我保護の下に獨立を保持し得られざるの理な
し。
然らば則亦知るべきのみ、支那をして無政府の境
遇に迷はしむるの不得策なると共に、朝鮮をして
無政府の境遇に迷はしむるの不得策なることを。
卽ち李氏の支配する韓廷にして、助くべくんば飽
まで之を助けよ、若し到底助くるの甲斐なしと認
めば、宜しく一刀兩斷我が假政府を設くべき也、
夫の愛親覺羅氏の支配する淸廷に對するも、亦復
た然り、殺活たゞ當に機勞如何と顯みるべきのみ
復た何ぞ必しも特に對韓策對淸策と言はむや。