6月2日
外國軍隊の借用は干涉を誘致するのみ
東學黨の勢い日に猖獗を極め、官軍勢微に
してこれを討平するの見込み立たざるより、
韓廷にてはこのほどより兵を外國に借るの議
起りしも、中には有識の士ありてこれを排斥
し、かくのごとくんば獨立國の體面を傷害す
るのみならず、たまたま以って外國政府の干
涉を誘致するに過ぎず、かつ日淸兩國いずれ
かの兵を借らんとすれば、天津條約の明文を
破りて、兩國の爭端を啓き、吾が邦をして兩
國戰鬪の修羅場たらしむるの懼れあるべしと
唱道せしより、借兵の議はそのまま消滅した
りと云う。
(註·天津條約の中心に「日淸兩國とも朝鮮
から撤兵するが、派兵の權利は留保する。出
兵の際は兩國互いに通知し合う」という趣旨
の項目がある。三卷の「天津條約」參照)