7月16日
予謂へらく日淸果して釁を生ぜん乎內亂再び起ら
ざるを保せずと初め予輩前月の內亂を以て實に東
學黨の計に出づと爲す旣にして其實況を探知す
るに所謂亂民なるものは元是れ區區の土匪のみ小
民貪官の催科に堪へず一時蜂起して守令を放逐せ
んと欲し名を東學黨に假りて地方豪傑を嘯集す是
に於て乎所在東學黨漸次來り集りて威焰漸く猖ん
なり然れども土匪の志固より守令を放逐するに
過ぎず而して隣邦の大兵も亦至る東學黨旣に土匪
の爲すあるに足らざるを見て而して亦時機の不利
なるを悟り杳然逸去四方烟散す是に於て乎招討使
凱旋內亂の平定を奏す然れども平定は土匪のみ東
學黨は卽烟散迹を晦まして以て時の至るを待つ日
淸の釁果して生ぜん乎而して彼れ果して我兵の好
情を知らん乎以爲らく機乘ずべしと山南の子弟土
を捲きて重來する來亦未だ知る可らず