1月22日
總理大臣の奏請四件 昨日を以て奉旨依允の沙
汰ありたる事項左の如し
一湖南地方東徒の據りて暴動擾亂を爲したる處
に勘査員を派して道の帥臣及び地方官の功罪
を取調べ又遭難賑濟の事を籌劃せしむる如何
二全羅監司李道宰の狀啓によれば賊魁金介男を
擒獲したる沁營の將卒褒奬の典を請ふよし平
賊旋師の日に於て功を論じ賞を行ふべき筈な
れども兼て懸賞にて捕獲せしめたる趣きに付
宜く先信を示さゞるべからず廼ち度支衙門を
して錢壹萬兩を支出せしめ以て應募の諸人に
分給して將來を激勸せば如何
三江陵、淳昌、雲峯等の地に於て其召募官が引率
したる士民俱に剿賊の效勞あり合て褒賞すべ
き筈なれども須く班師の後を待て一體に功を
論じ賞を行ふ如何
四擒獲したる金介男は當に京師に檻致し究問法
に照すべきを朝令を待ずして先づ梟首す途中
の搶奪を慮るが爲とは雖も專斷の尤辭すべ
からず全羅の監司李道宰に施すに越俸二等の
典を以てする如何
黃海道に出兵す 黃海道に東徒又復蜂起し兇狀
稍熾なるよしにて京城守備隊中より日兵○○隊、
日本巡査三十名、韓兵百五十名を出兵し明朝黃
州方面に向ひて進發するよし
東徒討伐 忠淸道報恩に東學黨群集し猖獗を逞
うせんとするの報昨十二日午後六時頃兵站部に達
せしかば當港守備隊の內にて出兵の用意ある由