6月1日
●東學黨の暴動 に就き通信員の報じ來れるも
のを揭げんに
外兵借入の議 初め東學黨の暴起するや朝鮮政
府は左のみ驚かずして謂へらく昨年の東徒暴起の
際は一片の綸旨を以て終に解散するを得たり今年
も亦た其例に依り說諭を以て鎭撫するに難からず
と然るに事意外に出で啻に說諭の效なきのみなら
ず左しもに▣み切つたる八百の征討軍も暴徒の精
銳に敵し得べくもあらず一百餘人は脫走して行方
を知れざるに至りしかば政府の恐慌一と方ならず
外兵借入の議韓廷內に起りぬ外兵とせば淸兵にす
べきか將た日兵を借るべきかと評議區區なる中に
も韓廷中亦人あり斷として此議を排して曰く內亂
を鎭壓するに外兵を以てするは啻に自主自尊の精
神なきを彼外國に示すのみならず偶偶以て外國干
涉の端を開き其後患言ふべからざるものあらんと
斯の如くにして外兵借入の議亦た中止となりぬ
江革 牛馬を掠奪す 全羅道地方の東學黨は益益猖獗
れしかば愈愈征討軍を增發するに決し江華の營兵
五百を增發し同營の中軍徐炳黃を以て之が總將た
らしめ彈藥四十萬發を準備し去る二十二日午後五
時全羅道に向ひたり
を逞うし近傍一帶の牛馬を悉く掠奪せしかば官軍
は物貨運搬の途全く斷絶し已を得ず政府は日本人
が使用せる荷車十五輛を購入して運搬の用に充て
しと云ふ