11月10日
●金鶴羽の人物 曩に東學黨員の兇手に斃れた
る朝鮮の法務協辨金鶴羽は先年我邦に留學して明
治法律學校を卒業し本邦語に熟達するのみならず
一般の法理も心得、其後北米合衆國に遊びて英語
に通じ歸國の後は常に開化黨の帷幕に參畫し朝鮮
の改革を以て任じたるも身閥閱の貴きを欠く爲め
久しく▣足を伸ばす能はず今回風雲の機に乘じて
起つて法務協辨となり議政所に於て卓論を吐く屢
次なりしが其卓論▣▣は却て頑固輩の猜忌を買ひ
終に兇刃に斃るゝに至りしなりと同國の爲に惜む
べし