2月2日
斬殺梟首を廢す 昨東學黨の巨
魁崔在浩等の梟首を實見し其慘刑を讀者に報道し
倂せて本邦刑法學者の注意を呼び起し置きたる處
さすがは米國自由の空氣を呼吸したる徐光範丈け
ありて斬首を廢し本日左の勅令を發布したり
勅令 凡大辟之處斬凌遲等刑律自今廢止、法衙
行刑只用絞、軍律行刑只用砲(總理大臣法務大
臣奉勅)
寧馨兒李啓董 本日の官報に去十一月六日(韓
曆)巡撫營草記前南原府使李龍憲之子啓董、爲其
父復讎自願出戰矣、別軍差下起復赴先鋒陣事とあ
り大江の匡房をして寧馨兒惜らくば兵法を知らず
と叫ばしむるなからん事を祈る
大に賞罰を行ふ 內務協辨李重
夏は先に慰撫使として嶺南に派せられ返りて報じ
て曰く
慶尙前監司李容直專ら唆剝を事とし毒を萬姓に
流し贓錢四十七萬六千三百五十六兩六錢九分(
一兩は我二十錢)となす前前統制使閔炯植貪虐
攘奪三道に及び贓錢七十二萬一千二百七十七兩
となす藩梱の責任あるものにして民を虐げ國に
負く一に此に至る痛恨の極寧ろ言なからんと欲
すと
總理大臣は右の報告に基き竝に該衙門をして拿問
して罪を定め犯す所の贓錢は徵して公に納允せし
む
又李重夏の副報に曰く
前の監司幕裨たりし玄明運安鍾祐、前前銃制使
の幕裨。洪永躊衙客秋、柏燁間に居て財を騙し
蟊賊を作爲す是亦法に照らし嚴懲せん
晉州前の兵使閔俊鎬徒に愚怯を懷き匪類を厚待
し河東急を告ぐるも一卒を送らざりし拿問重勘
せん
星洲前の牧使吳錫泳徑避して衆を潰し城を空う
して賊に與ふ已に勘配を經たり論勿けん
順興府使李寬稙猾胥に任して公納期なく亂類を
獲して衆憤益甚し玄風縣監金華塡徭を重くし弊
を生ず闔境怨▣(嗷)彦陽縣監尹弘植濫斂して擾を致
し百度棼錯す竝に罷黜せん
咸陽郡守金永順病で行步せず重地に任じ難し改
差せん
山淸縣監鄭宓源心を盡して救瘼し之を失したり
太だ柔に推考せん
聞慶府使金禎根武を演じ約を設け邪類竝に伏す
水使の履歷を用ゆる事を許さん
居昌府使丁觀燮兵餉の爲め廩を捐て慶隣賊を剿
ぐ安義縣監趙元植奮て忠義を勵み妖邪を掃蕩す
竝に資を加へん
仁同府使趙應顯匪を捕へ魁を斬り撫綏宜しきを
得たり醒泉郡守趙爰夏衆を勵し賊を擊つ列邑爲
に氣を增したり昌寧縣監趙秉吉痛く濫斂を革め
惠卹備さに至る草溪郡守李贊▣隊を作し匪を捕
へ廩を捐て備さに賑はす竝に表裏一襲を賜はん
慶尙中軍朴恒來軍務を整理し賊窟を掃蕩す防禦
の履歷を用える事を許さん
右の報告に從ひ總理大臣上奏し奉 旨依允たり