○征討軍の上陸
彼の雇入の支那軍艦平遠號以下二艦に搭し群山に向て出發し
たる八百の征討軍は着後しばらく上陸を見合せ以て兇徒の動
靜を窺ひつゝありしが賊勢益益猖獗を加へ到底諭示等にて鎭
定の效力ありとも見へさるのみならず各地に於る官兵の連敗
する有樣には少しく意外に思ひつゝありしが斯くては一刻も
猶豫なりかたしと洪氏の命令にて遂に韓曆四月七日を以て全
軍群山に上陸し尙ほ招討使洪啓薰より電報を以て討伐の命を
政府に請求し許可を得しかば此日を以て直ちに進擊の運動に
着手せりといふ