6號 日韓兩國攻守同盟

日韓同盟…………とし云へば、朝鮮は、然も一大獨立王
國の如くにこそ、聞ゆるなれ。然れとも、其實は、赤
子と大人との同盟に均しきのみ。大病老人と、大壯健
男子との同盟に均しきのみ。是れこそ、我大日本皇國
が、東洋無雙卽ち世界無比の義俠的勇武を以て、世界
萬國競爭場裏に、向て、儼然として、顯はれ出でたる
所の活劇第一幕の文句なれ。…………其盟約文句は左の
如し。

日韓兩國盟約

大日本 大朝鮮兩國盟約

大日本 大朝鮮兩國政府は日本曆明治二十七年七月二十五日 朝鮮曆開國五百三年六月二十三日に於て朝
鮮國政府より淸兵撤退一節を以て朝鮮國京城駐在日
本特命全權公使に委託して代辨せしめたる以來兩國
政府は淸國に對し旣に攻守相助くるの地位に立てり
就ては其事實を明著にし倂て兩國事を共にするの目
的を達せんがため下に記名せる兩國大臣は各各全權
委任を奉じ訂約したる條款左に開列す
第一條 此盟約は淸兵を朝鮮國の境外に撤退せし
め朝鮮國の獨立自主を鞏固にし日朝兩國の利益
を增進するを以て目的とす
第二條 日本國は淸國に對し攻守の戰爭に任じ朝
鮮國は日兵の進退及其糧食準備のため及ぶだ
け便宜を與ふべし
第三條 此盟約は淸國に對し平和條約の成るを待
て廢罷すべし
此れがため兩國全權大臣記名調印し以て憑信を昭
にす

大日本國明治二十七年八月二十六日
特命全權公使 大鳥圭介

大朝鮮國開國五百三年七月二十六日
外務大臣 金允植